「ポケモンＧＯ」の世界的ヒットで、盗撮規制強化を目指す滋賀県警が思わぬ余波に悩まされている。下着などの撮影目的でカメラを向ける行為を取り締まる条例改正案に対して、
インターネット上で「カメラを人に向けたら逮捕なのか」「滋賀ではポケモンＧＯもできないらしい」との反発が噴出。担当者は誤解を解こうと苦慮する。

　改正を目指すのは県迷惑行為等防止条例で、現行では明文化されていない「下着姿などを盗撮する目的で写真機などを人に向ける・設置する行為」を規制する条文を追加する案を６月に公表。
カメラをスカートの中に差し入れれば、撮影していなくても取り締まることが可能になる。同県によると東京、京都など１０都府県以上で既に同様の規制がある。

　滋賀県警は６月に意見募集（パブリックコメント）を始めたが、今月中旬ごろから、インターネットニュースやＳＮＳ上で「カメラを人に向けてはいけなくなる」と伝えられ「炎上」。
条例改正案は衣服に覆われた下着や身体を狙うことを盗撮と定義するが、それが十分に伝わらず、現役裁判官がツイッターで「スマホを他人に向けただけで犯罪になるというのはどうよ」と疑問を漏らした例もあるという。

　ポケモンＧＯが海外でブームとなり国内配信が近いと伝わると、「滋賀ではポケモンＧＯやるだけで逮捕らしい」「条例で観光客も減る」「ポケモンＧＯしたら警察ＧＯ」などの書き込みも広がった。
２０日に締め切った意見募集に寄せられた数十件の中には、「カメラを他人に向けてはいけない」との誤解に基づいて反対する意見が散見されるという。

　県警生活安全企画課の担当者は「ポケモンＧＯを（他人の敷地に入るなどせず）普通にプレーする行為は規制対象ではない。理解いただけるよう説明や対応を続けたい」と話す。【大原一城】

http://mainichi.jp/articles/20160722/ddn/041/020/011000c