◆レスリング　世界選手権最終日（１２日、米国・ラスベガス）

　男子フリースタイル７４キロ級は昨年銀メダルの高谷惣亮（２６）＝ＡＬＳＯＫ＝が２回戦で敗退するなどグレコローマン、フリーともメダルなしに終わり、この大会でのリオデジャネイロ五輪出場枠獲得も「ゼロ」だった。

１９９１年に世界選手権が五輪予選を兼ねるようになって以来、初の失態。日本レスリング協会の栄和人強化本部長（５５）は、進退伺を提出する意向を示した。

　７４キロ級でメダルを期待された高谷まで、２回戦で敗退した。欧州王者・ゲデュエフ（ロシア）の圧力で得意のタックルへ入れず、強引に出たところを逆に投げられた。

０―１１のテクニカルフォール負け。普段は底抜けに明るいタックル王子が「悔しい。喪失感がある。あそこまで差があったとは」と涙を流した。

　日本男子はグレコローマンに続いて伝統のフリースタイルでも惨敗し、メダルどころか５位以内に与えられる五輪出場枠すら一つも取れなかった。

１９９１年に世界選手権が五輪予選を兼ねるようになって以来、初の非常事態。男子のエース・高谷は「オリンピックに勝つためにここで負けたと前向きに考えて、頑張っていこうと思う」と、真っ赤な目で絞り出した。

　昨年２位のエースですら、世界に通用しない。日本協会の和田貴広フリー強化委員長（４３）は「日本選手は攻撃が単発で、勝負に対する執念が欠けていた」と険しい表情だった。

日本レスリング協会の栄和人強化本部長（５５）は、進退伺を提出する意向を示した。「非常に残念。強化のトップとして責任を取りたい。判断は協会に一任する」と話し、協会の福田富昭会長（７３）に進退を委ねた。

　女子は金３、銀１、銅１と計５個のメダルを獲得し、五輪で実施される６階級中、５階級の出場枠を獲得した。

一方で、不参加の８０年モスクワ大会を除き、５２年ヘルシンキ大会から連続で五輪メダルを獲得してきた男子が、窮地に陥った。来年行われるアジア予選と２度の世界予選で、まずは出場枠獲得を目指す。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150913-00000256-sph-spo